中国政府系識者が「言ってはいけない事」を暴露!

CCP

TSMC奪い取る

 今回は「 TSMC 奪い取る」中国政府系識者が主張、というニュースをお伝えします。

 産経新聞の概要です。

 中国政府系の著名エコノミスト、陳文玲氏は8日までに、中国がロシアのように西側から厳しい経済制裁を受けた場合、台湾を支配下に置いて半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)を手中に収める必要があると主張した。米政府系メディア、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じた。異例の強行発言だ。

 陳氏は5月下旬に中国で開かれたフォーラムで発言し「米国など西側が中国に破滅的な制裁を科すなら、台湾を取り返す必要がある。特にサプライチェーン(供給網)の面では、TSMCを奪い取らなければならない」と訴えた。中国は国を挙げて半導体技術を強化しているがTSMCには追いついていない。(共同)

 私、これを見た瞬間「あー言っちゃったー!」」と、思ったのね。

「言っちゃーダメなんだよこれはー」

 なぜかというと、中国が欲しいものが TSMC だっていうことがばれちゃったじゃーん。

 これがまず一つ目。

湾岸戦争で撤退するイラク軍に放火され黒煙を上げるブルガン油田。国土を取り戻したクウェートは膨大な原油を失った

 そんなことはわかっているんですよ、当然。

 台湾もアメリカも日本もね。

 それでさらにその先を言っていて、実は「だったらと、一番欲しいのは TSMC だろーと、だったら俺たちは、もしお前たち中国が本当にそれを取りにきたらどうするか知ってるか?」って、、、

 そこの作戦も、もう練ってあるわけ。

 実は、それどうするかというと「自ら破壊するのよ。」

 「焦土作戦!」出典 : フリー百科事典『ウィキペディア』)

 一番欲しいのはこれだろー。

 君たちが一番欲しいダイヤモンドは。

 そんなこと分かっているさ。

 だからそれだったら、それを取りに来たらそれ全部焼いちゃうから。

 あなたたちにこの果実は渡さないから。

 ということがもうとっくの昔に議論されているわけです。

 それらが結構今現実のものになりつつあるんです。

 ひとつ例を挙げるとアメリカの空軍大学、これのジャルゼン・マッキーニー教授という人とコロラド大学のピーター・ハリス准教授が書いているんです。

 タイトルが「壊れた巣」(現代ビジネス 1月7日 長谷川幸洋コラム公開文に掲載中)

「中国の台湾侵攻を抑止する」というタイトルで、このマッキーニー教授とハリス准教授二人で発表したんだけれども、この二人が空軍大学の機関紙「パラメーターズ」という雑誌なんだけど、ここに、これ冗談抜きで真面目に紹介しています。

 それは今言ったような話で、要するに、あんたたちの本当の目標の一つは、TSMCだろう、どう考えても。

 これは世界最高水準なんだから。

 中国がそれを本当に奪いにきたら「自ら焼き尽くしちゃうよ」それが一番の選択だということを言っている。

 ついでに、上海にTSMCの子会社というか関連会社があるが、それもミサイルでやっつけちゃうよ。

 SMICって言うんだが、これもミサイルでやっちゃうよといっている。

 だから一撃必殺。

 とにかく人民解放軍が大勢来るだろうから、軒並み全部潰すというわけにはいかないから、負けるかも知んないから、TSMCを自ら焼き尽くすけれども、同時にSMICも、ミサイルで攻撃するぞ、と。

 これで中国の半導体はオジャンになる。

「今のロシアのようになるよ」ということを言っている。

 それをなんで言ったか、というところが興味深いところなんですよ。

 それは、これ空軍大学でしょ。

 だから、それは本当にもし米軍が台湾防衛に軍隊を派遣することになったら、これは先づ海兵隊を入れるでしょう。

 それから後は、空軍はそのお手伝いに行くんだろうけど、実はそれをやるとご承知のように中国だって核保有国だから、核戦争になるかもしれない。

 というわけで実は軍の派遣は、できないんじゃあないのっていう見方もでている。

「そんなことをやったら負けるだけだからやるべきではない」と、こういう軍の学者、軍の研究者たちもそういう議論を堂々としてるんです。

 だから半ば「米軍派遣しない」というのは、アメリカではもう公開的なテーマなんですよ。

 で、私の見るところ、軍は派遣しないという声のほうが、軍の専門家であればあるほど、強いわけ。

 軍の人たちは分かっているんですね。

 行くのは自分たちだからさあ。

 みんなリアルに考えるわけですよ、これは勝てないんじゃあないかって。

 じゃあそれを前提にですよ、それを前提に軍の派遣以外になんとか守る方法はないのかなと考えた末の結論が、この焦土作戦なんですよ。

 その果実を最初に潰してしまえば、あいつらそんなに犠牲者出してまでも奪いに来るだけの動機が無くなっちゃうんじゃあないか、と言うことなんですよ。

 それを言っているというのが一つね。

 これはヨーロッパの研究者、確かイタリアだったと思うんだけど、イタリアの学者も、つい先月の5月に、これと同じことを言ってんの。

 焦土作戦のことね。

 あ、こいつもこの論文、これ読んだのかなあと思ったんだけども、結構このことが真面目に議論され始めているんですね。

 そのタイミングで、TSMC奪い取るなんて議論がでてきたでしょ、わざわざ中国側から。

「これ言っちゃだめじゃん」

 これがまさに今、議論しているところでそんなことを中国側から奪い取るなんていったら、もう思う壺じゃん。

 自ら自分たちが「喉から手が出るほど欲しい」ってことをしゃべっちゃたも同然だよねって、というのが私の見立てなんですよ。 


 長谷川幸洋 談

 これの任意について日本サイドでは、あまり理解が進んでないのかなと思わざるを得ない。

 なぜならば、むしろ中国のエコノミストサイドの方が、状況認識を正しくしてますよ。

 何に関してかと言うと要は、IPEF なんですよ。

 IPEF に関してああいったブロック化が進んでくるということを受けて、じゃあこのIPEF に一番大きな影響力を当面受けるのは、なんなのかというとやっぱり半導体なんですよ。

 半導体サプライズチェーンなんです。

 そういったところをきちんと正しく理解しているんだなあと、言うことが一点。

 ただ、全く誤解というか、頓珍漢な誤解をこの陳文玲エコノミストはしているなあというところもあるんですね。

 それに対して日本はというと外務省が、これについては国内のメディアに対してブリリングをしているですが、「たいしたことはないんですよ、IPEFはー」「たいした影響力ないんですよー」と、言っている。

 要するに、言ってみれば外務省は中国に対して思いっきり配慮しているんです。

 中国に対する忖度をしているから、なるべくIPEF の効果を小さく小さく見せようとしているんです。

 日本の記者はそれをあまりにも考えないで受けて、「外務省が言っているんだから本当なんだろう」と言って書いてしまった。

 外務省はそんなに中国に対して忖度しているのかというと、今回の骨太の方針の中で、要するに防衛予算の拡大の中で、台湾という文言が初めて入ってきたんですよ。

 これを巡っては、財政積極派サイドと官邸政府サイドとの間で結構な綱引が行われて、最初は台湾という文言は入っていなかったんです。

 島嶼(とうしょ)など、島などという言葉で書かれていた。

 これに対して、ちゃんと台湾と入れなきゃならない。

 あるいは台湾海峡ぐらいは入れろよ、という事で押し返しがあったんですよ。

 これに対してそれに拘った、「台湾という言葉、骨太の文言を入れない」と言う方針に拘ったのは、外務省なんです。

 外務省からの相当強い抵抗でした。

 でも、最終的に押し切られて台湾という文言が入ってきた。

 それだけ今の外務省というのは、中国に対して配慮してきたんですよ。

 アメリカサイドは、IPEF を通じて、西側の台湾を含む最先端の半導体技術を中国には提供しません。

 ということなんですよ。

 ただ少なくとも、このTSMCというのは、これが中国サイドが欲しいと、あるいは陳文玲氏が正しく認識していないのかなあと思うのは、ファンドリーという半導体の製造会社なんですよ。

 勿論、最先端の 6G に対応できるくらいの最先端の半導体を作る能力はあります。

 世界最先端の製造技術はある、その一方でそれを設計したり、技術的な補完するというのは全く別の会社がやっているんです。

 今は、製造と設計とは分離されている。

 実は設計の方に関して言うと、米・英が完全に抑えている。

 パテントと含めて抑えているというのが実態なんです。

「首根っこの部分」ということですね。

 もちろんこの二つがあって、最先端の半導体なんですよ。

 要するに中国が焦っていると言うのは、このままでいくと中国の技術力を駆使すれば作る事はできるかもしれない。

 ただ、TSMCがやっているものはあと5年後、6年後には作ることができるかもしれない。

 ただ5年6年経ったら、おいてかれちゃうから。

 どんどん置いていかれる。

 だからTSMCを奪い取ったところで、要するにそこの技術設計の部分が無いから、さあどうすんのと。

 まあね焦って、焦りまくっているということが、このことでわかるんですね。

 よーく冷静に、きちんと状況分析をすれば、要するにTSMCだけを奪い取っても、大して大きな意味がないってことがわかるはずなのに、もう焦りまくっちゃっている。

 とにかく今同じ状況に持っていかなければ、これは置いてかれてしまう。

 最後に一言っておくとすると、もうアメリカの戦略は明確です。

 どういうことかというと今後、ハイテク通信の分野で言うと「中国を中心とする技術的には後れたローカルなネットワークのグループ」を選ぶのか?、

 それとも「アメリカ西側を中心とした、最先端の技術を持ったグローバルなネットワーク」を選ぶのか、さあどっちってやっているんです。

 これがITECなんですよ。

 そうしたら前者を選ぶ馬鹿いないでしょう。

 それに対する「焦り」なんです。

 だからこれ言っちゃあいけないんです。

 これ言ったおかげで中国が戦略的な目標が見事に出ちゃったんです。

 だから、馬鹿だなあと。

「こんなこと分かっているよ、最初からってね」って言うことなんです。

 自分たちが遅れているということが、あらわになっちゃったんですね。


 須田慎一郎氏 談

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