
中国共産党員になりたい by ジャッキー・チェン
酔拳やプロジェクトAなどの映画で有名な香港のアクションスター、ジャッキー・チェンが中国共産党員になりたいと言い出しているようです。
メモリアルの舞台で驚きの発言
中国共産党系メディア、2021年07月11日付けで報じられた記事によると、先週ジャッキーさんが中国共産党100周年の関連イベントに参加した際、「中国共産党は偉い、私も共産党員になりたい」と話したというのです。
実はジャッキーさん、これまでも中国寄りの発言や行動をしていたんです。
例えば、2012年には「尖閣諸島は中国のものスーパーマンになって尖閣諸島を中国側に近づけるように引っ張りたいくらいだ」などと、日本の固有の領土についてこんなトンデモ発言をしていました。
そして2016年には、中国の鉄道員たちが旧日本軍と戦う抗日映画「レイルロードタイガー」で、主演を務めているなんてこともありました。
さらに2019年には、中国政府が香港への統制を強める「国家安全維持法について支持を表明」したんです。
さらに「私はこの中国の国旗である五星紅旗の守護者だ。
一人の香港人であり中国人として基本的な愛国心を表したい」と、話したということです。
最近の中国共産党は国際的に非常に評判が悪いので、習近平は「愛される共産党に成りたい」ということを国内に指示しているわけで、おそらくジャッキー・チェンを広告塔として煽ろうとしている感じがしますよね。
彼ジャッキー・チェン自身が本当に共産党員に成りたいかどうかは知りませんが、彼らアーティストというよりはむしろビジネスマンなんだろうなぁという意味では、こういう発言は驚きではありません。
この発言からジャッキーさん自身の言葉っていう心からの思いではないと、どーもなんかねーっていう、宣伝っぽいなぁというビジネス的な香りもとういうことなんですね。
では続いて、このジャッキーさんが入りたいと語った中国共産党というのはどんな党なのか見ていきましょう。
頑張っても入れない中国共産党
今年で100周年を迎えた中国共産党。
中華人民共和国の建国以降一貫して中国を統治・指導する存在で、習近平国家主席が総書記としてトップに就いている。
まあいわば ”一党独裁” とも言われています。
その中国共産党に所属する党員、今年の6月の時点でおよそ9500万人ということで、これ中国が人口約14億人ほどですから15人に1人という割合で共産党員であるというわけです。
中国共産党って、やっぱりものすごい力を持ってるんです。
元々はマルクス・レーニン主義の共産主義なんだけれども、党員になるのも厳しいし審査も厳しいんだけれども、やっぱり就職に有利なんだそうです。
色んな意味で有利なことがあるからといって入りたい人もいれば、同時に、自分はもっと自由にやりたいから入りたくないという人もいる。
まあ共産党からすれば、やはり若い世代をどんどんリクルートしていきたいと若返りのためにも人を入れたいんだけれども、なかなかそう簡単にはいかないようです。
党員に入るのも難しいようです。
紹介されて幾つかの試験があって、そして試験を受けて入るんだけれども、しかし、昔ほどのイデオロギー的というよりはむしろ実利的になっていて、ただの利益集団になったと思いますね。
そのピラミッドの頂点に習近平が立っているという状況を、次に見ていきましょう。

道をたどれば親日の顔も
ハリウッドにも進出したジャッキー・チェンさんなんですが、これまでに何度も日本を訪れて話題となりました。
香港を代表するアクションスター、ジャッキー・チェンさんは酔拳やポリスストーリーなど数々のヒット作品を持ちハリウッドでも活躍してきました。
これまでにも度々来日していたジャッキーさん、東日本大震災では自ら発起人となってチャリティーイベントを開催、日本語を交えてエールを送りました。
また、2018年に亡くなった歌手の西城秀樹さんとも親交があったジャッキーさん。
葬儀には弔電を送り、日本での食事や香港での撮影など、在りし日を偲んでいました。
このように親日的な一面も見られたんだけども、今回は特に親中というところがあっありと、日和見的なところがあり不思議な感覚です。
多くのファンがいるジャッキーの中国への歩み寄り、世界的日和見スターの行動を「香港の民主の女神」と言われている、この人はどう思っているのでしょうか?
見ていきましょう。
香港の民主の女神
「香港の民主の女神」は、そう香港の民主活動家の周庭さんです。
香港で民主化運動を行っている人物で、流暢な日本語を生かして海外に向けて香港の状況を訴える役割も果たす 「民主の女神」と言われています。
けれども、その周庭さんが去年(2020年)ジャッキー・チェンさんについてこんな日本語の投稿をしていました。
「親中だからジャッキー・チェンは香港の若者の間では非常に人気が低いです。中国に反対すると中国の仕事が全部なくなるので、ほとんどの香港の芸能人は中国寄りの姿勢を表明しないといけないです」と、「仕事のために中国共産党に歩み寄らなければいけない、そんな実状があるんだ」と言っているようなんです。
これ日本語で、しかも日本向けに発信していたわけなんです。
その周庭さん自身も、現在厳しい環境に置かれているようです。
香港の民主化運動の女神と言われた周庭さん、2019年6月逃亡犯条例改正案をめぐって抗議活動に参加するなど自身の想いをメディアなどに向けて訴えていました。
周庭さん曰く、「国際メディアにとっても報道の自由への脅威だと思っています」その後、無許可のデモを扇動した罪などで禁固10ヶ月の判決を受け服役、8月ようやく出所しましたが、以前のような勢いのある表情には見えなかったと、その後、周庭さんは自身の SNS に「ゆっくり休みたい」と投稿し最近は表舞台に姿を現していません。
出所後やはりちょっと弱っているような、そんな表情も見てとれたわけなんですよね。
SNS の発信もゆっくり休みたいということなんですけれども、やっぱりなかなか活動家なども活動し難い状況になっているようです。
悲しいことですけども、香港はもう昔の香港ではないですね。
香港はもう中国本土の一部に徐々になっていってしまっている。
経済的にはある程度自由も残されているかもしれませんが、政治的には昔ほどの自由がなくなった。
だから彼女も、もう今は何も言えないでしょうね。
むしろ言わない方がいいと思うし、その方が彼女のためでもあると思う。
けどそれが本当に香港全体のためになるのかなあと思うとね。
若干、気になることが多いですね。
もうこの流れは止められない、止まらないと思います。
これからは、経済的にはおそらく香港の北にある深センを中心として、大きな経済圏の一部になっていくでしょう。
そして政治的には、もう完全に中国本土と同じになってしまう。
つまり、自由が無くなってしまうということになるでしょう。
周庭さんはどんな思いでいるんですかねえ。
今後の香港がどうなるのか、中国共産党がどのような没落の歩みを進めていくのか?
注視していきましょう。
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